1位: フィンランド 2位: ノルウェー 3位: デンマーク 4位: アイスランド……国連が発表した『世界幸福度ランキング』である。「所得」「健康と寿命」「社会支援」「自由」「信頼」「寛容さ」により、ランク付けされたもので、北欧諸国が上位を占めるのは毎年のこと。社会保障がずば抜けていることも大きいが、注目してほしいのが「寛容さ」……幸せになる上で何より重要なものだと思うから。
実はこういう調査も各種あって、世界3大幸福度調査と言われるものは、それぞれ全く違うランキングを出している。別の調査による1位は、ご存知「幸せの国ブータン」。また別の調査ではフィジーが1位である。ブータンには「国民幸福量=GNH」という基準があり、「伝統文化や環境に配慮し、モノを満たすのではなく心を満たせるかどうか」を測るのだとか。一方フィジーには、「ケレケレ」という精神的な文化があり、これは"物でも事でも誰かと分け合う、共有し合う"というもの。そして言うまでもなく北欧には「ヒュッゲ」がある。いずれも「寛容さ」を問うものなのだ。
寛容さ、あるいは寛大さ……広い心で、人の言動を受け入れること。他者の罪や欠点などをきびしく責めないこと……簡単なことでは無い。とりわけ"人を許す"って、難しい。怒りを抑えたり、不平不満を持たないって、本当の意味で心が広くなければできないこと。不平不満を"言わない"のではなく、不平不満を"持たない"こと、そういう心を持てたら、どんなに幸せだろう。人は寛容にさえなれば、あらゆることを幸せに感じることができるのだ。
言い換えればそれは、"いい人になること"。 そう、幸せになるために1番重要なのは、この"いい人になること"なのかもしれない。でも私たちはともすると、このとても大切なことを忘れがち。幸せを求めるばかりで、自分を変えようとしない。そこに幸せの落とし穴があるのではないかと思う。
自分自身が"いい人"になると、不思議にいろんなことが心地よく思えてくる。不平不満はもちろん、不愉快なことも減って、きっと悩みや苦しみ、悲しみさえもが消えていくのだろう。人を妬んだり、恨んだり、嫌ったりすることもなくなり、極端な話、嫌いだった人をもどこかで好きになれそうな気がしてくる。こんなに簡単に、人生を好転させる方法って他にあるだろうか?
そして、大切なのはここ。そういう風に"いい人"になることも含めてが、ヒュッゲなのだということ。"いい人"になりたくない人はいない。でも方法がわからない人はたくさんいる。だからこそ、ヒュッゲ。
当たり前の日常にも満足感を持ち、今持っているものを大切にし、ささいなことにも喜びを感じる心をクセにしていく……ヒュッゲこそがそのまま"いい"人を作るもっとも簡単なテクニック。だからすぐに気づくだろう。"いい人"になると、たちまち幸せになれるって。