Kaoru Saito’s Column

FULLMOON

2025年4月 天秤座の満月🌕

相性の不思議。
あなたが付き合うべきは誰なのか?

●相性とはそもそも何なのか?
占い? それとも答え合わせ?

人と人との相性ってなんだろう。ひょっとしてそれは、占いで占うもの……なのかもしれない。なぜなら気にする人はひどく気にするけれど、気にしない人は気にしない。そういうデータは無いけれど、相性に関して言えば後者が多数。人と人なんて実際関わってみなければ良いも悪いもわからない。そういう考えの人の方が多い気がするのだ。
最初から占い上の相性を気にしてしまうと、いたずらに人間関係を狭めてしまいがち。出会いそのものに臆病になってしまいがち。それでは人生が彩りのないものになってしまうからこそ、先入観のない出会いをしたい人が多いはずなのだ。
相性ってむしろ答え合わせのように、後からチェックしてみるものなのかも。うまくいかなかった相手と、なるほどやっぱり、そもそも相性が良くなかったのだと納得するような。すぐ仲良くなれた人と、私はふたご座、あなたは天秤座、だから合うのねと言いあったりするような。

もちろん今は、マッチングアプリが人の出会いを大きく左右する時代。いろんな意味での相性がそこで一度フィルターにかけられ、より効率の良い出会いができるのは確か。でもそういうことも超えて、自ら人との相性を操れるような感性をも磨いておくべきなのではないかと思うのだ。



●相性の良い相手を嗅ぎ分ける
感性を磨きたい

こういう人もきっといるはず。占いの相性をチェックしたり、マッチングアプリで相手を狭めたり、慎重に出会い人は尚さら本能で果たしても結局うまくいかない。だから相性のせいにできないまま、次へ次へと付き合いを進めていくが、それでも何だか人付き合いがうまくいかないと言う人が。だから、相性を嗅ぎ分ける感性を磨きたいのだ。

動物同士が、遠くからでも何かの波動を出し合ってお互いの相性を確かめ合えるのは、一瞬のひらめきのような相性判断能力というべきもの。もともとは人間もこういう能力を持っていたはずだが、現代の私たちは様々な邪念から判断力を失い、流れで付き合ってしまったり、相手の容姿に引かれて最初の”嫌な予感”に気づかなかったり。いや気付かぬふりをして直感を封印してしまう。そこは人間、好き嫌いもあってノイズが入りやすいのだ。
おそらくそうした動物的な直感は、私たち人間も意識すればもっと研ぎ澄まされるものなのだろう。いろんな状況が邪魔して鈍ってしまっているだけ。もちろんそこで危険を感じたら、身をかわすべきだけれど、やはり人付き合いを必要以上に狭めてしまうのは残念な話。相性が悪そうな相手と自分はどのように接したら良いのだろうと考えるべきなのだ。オフィスでの上下関係だったり、同じチームだったりすることを考えれば、それができることこそ大人の知性と言えるから。



●その人といる自分を好きか否か?
それが究極の相性を決める

一方で、誰とでもうまくいく人がいる。それって紛れもなく“いい人”に違いないけど、それだけじゃない。誰とでも相性を良くする才能を持っている人なのだ。
そこで逆に、自分と相性が良いと相手に思わせる人ってどんな人か?と考えてみて欲しい。そこには多分、絶対の共通点がある。それはズバリ、「その人といる自分が好き……」。相手にそう思わせる人なのではないか。
少なくとも恋人やパートナーはそういう人でないと人生がダメになる。つまりその人といると楽しいとか自然体でいられるとか、そういうレベルではなく、その人といる自分自身が好き。そう思わせてくれる相手と共に生きるべきなのだ。
オフィスの人付き合いでも同様に、その人と共に仕事をしている自分が好き、そう思わせる人っている。もっと言えば、自分自身がそういう人間になっていければ理想的。簡単なことでは無いけれど、相手の良さを引き出してあげれば、相手はすべからくその自分を好きになるはず。そういう意識で人と関わってみて欲しい。全く人生が変わるはずだから。
これは恋人やパートナー、友達だけではない。親であれ、兄弟であれ同じ。あらゆる人間関係において言えること。「その人と一緒にいる自分が好き」そう思わせる人になりたい。これは付き合いにおける究極なのだ。
複数の人に言い寄られるという贅沢な悩みを持っている人にも言いたい。誰といる自分が1番好きか。そういう時って皮肉にも、”1番好きな人と一緒にいる自分”を1番嫌いだったりする可能性もあるはずなのだ。それが人間同士の難しさ。好きすぎる人には変に尽くしてしまったり、自分を卑下したり、そういう自分を好きなはずはないのに。それが不幸の始まりだったり。自分自身を好きになれる相手との出会いこそ幸せへの近道なのだ。何としてもそれ、覚えていて欲しい。

read more

Kaoru Saito

齋藤薫

美容ジャーナリスト
/エッセイスト

齋藤薫

美容ジャーナリスト/エッセイスト

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。最新刊は初めての男モノ『されど、男は愛おしい』(講談社)。また『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)他、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など多数。