私の母は料理研究家という仕事をしています。2年ほど前に引退しましたが、日々レシピを考え、生徒の方に教えるという仕事を40年近くやってきました。 “手作り”ということにこだわり、どこでも手に入る食材で、誰もが簡単に自宅でできる家庭料理を提案してきました。母の記憶といえば朝から晩まで台所で料理をしている姿。母がたくさんの愛情を込めて作ってくれた一品一品はどれも忘れることはありません。何よりも家族のために作ってくれた食事には、味以上の“何か”があって、それが身体に、そして心に栄養を与えているように感じられてなりません。
そうした母の手料理から学んだことは、いかに食べ物が私たちの身体に影響を与えているかということ。お腹を満たし、身体に活力を与え、幸福感をもたらしてくれる。栄養バランスのとれた食事というのは健康な身体を作るだけではなく、続けていくうちに身体の内側から整っていくのが分かります。私は体調を崩したときに限らずメンタル面の不調を感じたときも、まずは食事、つまり“内側から整える”ということを意識しています。
とはいえ、時代は変わりライフスタイルも多様化。働きながら毎食整った食事を用意するのは難しいし、最近は外食や調理済み食品などにも、カロリーや食品添加物を考慮した商品が並ぶようになってきて、必ずしも「家庭で自炊する=健康」だとは思いません。大事なのは自分のライフスタイルに合ったやり方で、ストレスなく続けることだと思います。
今回の「COSME KiTCHEN JOURNAL vol.2」のテーマはインナーケア。日常のスキンケアやメイクとは違って、インナーケアと言うと一見ハードルが高く思われるかもしれませんが、コスメキッチンには手軽に取り入れられるサプリメントやプロテインなどがたくさん揃っています。特に現代女性はタンパク質が圧倒的に足りていないと言われています。例えば髪のパサつきや二枚爪などのトラブルを感じたら、トリートメントや保湿といった外側からのアプローチも有効ですが、そもそも健康な髪や爪を生み出すための栄養が不足していては意味がありません。そこで身体の内側から見直すためにプロテインを取り入れてみるのもオススメです。プロテインって“筋肉を鍛えている男性が飲むもの”みたいなイメージがあるかもしれませんが、日々の健康や美容のためにもっと気軽な感じでOK。まずは食事の+αとして、またおやつの代わりといった使い方もいいと思います。水や牛乳・豆乳などに混ぜるだけだし、味も美味しく、何より効率良く、バランス良く栄養素を摂取できる! まさに忙しい日々を送るコスキチユーザーにぴったりです。仕事をしながら、家事をしながら……すべて完璧にケアするのは大変ですがそれを嘆くのではなく、上手く頼って、賢く利用して、できることからやっていけばいいのだと思います。
そしてもう一つ忘れてはならないのが、一番大切なのは自分自身だということ。まわりを気にするばかりに、つい自分のことが後回しになっていませんか? 自分を優先することは「自分勝手」とか「わがまま」などと思われがちですが、人に優しさを向けるばかりに、自分が疲れてしまっては意味がない。意識を外から、自分の内側へ。大事なのは他人にどう思われるかよりも、自分がちゃんと満たされているかです。もっと“自分ファースト”でいい。ワタシの身体が、心が、喜ぶことをしよう!