●桁違いの成功者には、内向的な人が多い?
昨今ビジネスの世界で、けっこうな話題になっているのが、“実はおとなしい人ほど仕事ができる”という新説。これまではもっぱら外向的で積極的な人の方が、当然のことながら仕事ができると考えられてきた。もちろんこれは1つの真実。外向的で社交的でなければできない仕事がたくさんあるわけで、この定説を否定する話ではない。
そもそも会議などで発言するのはもっぱら外向的な人で、内向的な人は言いたいことがあっても手をあげない。黙ってしまう。それで仕事ができると言えるのかと言う疑問はあるけれど、結果を出すかどうかの違いで考えると、そこに新しい見方がどんどん生まれているのだ。
実は、大成功を収めた人の中に、極めて内向的な人が少なくないという事実も知っていて欲しい。例えばビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグといった、ケタはずれの成功者たちは、本来は内向型の人間だそうである。そして、最近になって、なぜ物静かな人の方が仕事ができるのかということが科学的に証明されるようになってきた。
●内向的な人の方が脳が活発に動いている
内向的な人の方が物事に対して冷静なのは誰もがわかることだが、外向的な人と内向的な人の脳内の変化を調べると、むしろ内向的な人の方が脳は活発に動いていて、ほとんどが思考に使われていると言うことがわかってきたのだ。
つまりどんな状況にあっても、冷静沈着に物事が判断できるわけで、世の中の動きや人々の考えを心静かにじっくりと見極めた上で行動に出られるから、大きな成功につながるとも言えるわけだ。
これに対して外向的な人は視覚や聴覚、嗅覚などに多くの注意が払われているという。だから落ち着きがないという一面にもつながるわけだが、打てば響くような反応は、当然こちらの方が得意なわけで、仕事ができる印象をもたらすのは確か。
ましてやこの方が周りにいる人間を喜ばせ楽しませることができるのも事実。内向的な人は逆につまらない、面白みがないという印象を与えるのかもしれない。だから人がついてこないと言うデメリットもあるわけで、一長一短だけれども、おとなしい人がそれだけの力を持っているということは、意外だけれど興味深い。
●1番好感度が高いのは、おとなしい男?
こんなことってないだろうか。例えばいわゆる合コンで、いろんなタイプの男性がいたとして、女性たちが1番に好意を持ったのは全員一致、その中でも1番口数の少ないおとなしい人だったと言うようなこと。いや実際、これはあるあるのパターン。おしゃべりの男や、目立ちたがる男たちの話をニコニコしながら聞いている、そういう男は確実にモテるはずで、そこにこの話の真実があると言っても良い。
面白いことを言えないハンディはあるにしても、人を惹きつけるのは結局のところ1番おとなしい男だったりするわけだ。
それも彼の奥深くに知恵やら思考やらが詰まっていると思うから。単純に思慮深い人に見えるから。従って、彼が喋ろうとする時にはきっとみんな耳をちゃんと傾ける。そして一言一言に重みを感じる。そういう仕組みがあるのは間違いないのだ。
全編黙っているのではお話にならないが、たまにいう一言が気が利いていたりすると、その人の存在感は最大級となる。ビジネスでも人付き合いでも、そういう仕組みで物静かな人はいつの間にか存在感を持ってしまうのである。
●内向的な人がいてこそ世の中がまとまる
内向的な人は、自分に自信がない。そして自己肯定感が低いと思われている。周りも、ひょっとすると本人も、そう思っているのかもしれない。だから内向的であることに対して、世間は良いイメージを持てない訳だが、そうした誤解はここで解いて欲しい。
そして、おとなしい人がいるからこそ、世の中が成り立っていると言うことも、もう一度見つめ直してみてほしい。外交的な人ばかりでは、世の中争いが絶えないからである。人の話を聞かずに話す人ばかりではコミュニケーションも成り立たない。静かに聞く人がいてこその社会なわけで、内向的でおとなしい人の役割は実はものすごく大きいのである。
だから、自分はとても内向的で生きにくいと感じている人はいろんな意味でもっとぐるりと自信を持って欲しい。内向的ゆえの能力と使命があることを知って、世の中と関わっていって欲しいのだ。それでこそ、バランスの取れた世の中になるのだから。
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