Kaoru Saito’s Column

FULLMOON

2023年11月 双子座の満月🌕

今まで何回、人間をやってきた人か?
 ……人を許してあげる最良の方法

●厄介な同僚がいるなら、ぜひ聞いてほしい

例えば一緒に仕事をしていて、なんだかいつもイライラさせられたり、傲慢だったり、全く空気を読めなかったり、なのに根拠のない自信があって、それらに全く気づかない……だから、歩み寄ろうとしても無駄。いつの間にかその人への対策で、頭がいっぱいになってしまうほどイライラさせられる人が。

そういう時、あなたならどう解決するのだろう。いや、問題自体は解決できなくても、気持ちの上でどう処理するか。自分を納得させられれば、せめても自分の心を楽にすることはできるはず。

例えばそれが職場なら、この人と関わるのは人生のほんの一時期。永遠に続くわけでは無いから、今は我慢しよう……そう思って自分を納得させるようなこと。
でも、その相手との仕事がズルズル長引けばストレスは溜まる一方なはず。そこでお勧めしたいのが、もっと前向きでもっと抜本的な方法。それが、“今まで何回人間をやってきたひとなのか?“。そういう基準で改めて相手を見つめ直してみる方法なのである。


●人間経験の長さ短かさが、人格を決める?

どういうことかと言うなら、あくまで“人間は何度も生まれ変わること”を大前提とした話だけれど、精神年齢は、今まで人間をやってきた回数に比例すると、そう考えてみるのだ。つまり何度も生まれ変わっている人は、それだけ人としてたくさんの経験を踏み、だから物事がよく見えていて適切な対処ができる、達観している人に違いないと。

逆に、相手をイライラさせたり不快にさせたりする人の多くは、まだ人間をまだあまりやっていない、それこそ今回が初めてかもしれない人だったりするのでは? そう考えると、不思議に腹がたたなくなるというメカニズム。経験がなければ、物事がよく見えなくて当たり前、人の心が読めなくても仕方がない、精神的な未熟な人に対して、そういうふうにどこか寛大になれるのだ。

言い換えれば、そうやって寛大になれる人ほど、長く長く人間をやっている人に他ならない。自分がそういう経験豊かな人間なのだからまだ未熟な人間を許してあげなければ、そう思えるはずなのである。


●母親やパートナーに、人生経験の浅さを見つけたら……

それは、母親やパートナーでも同じこと。腹が立つことも多いけれど、でも嫌いではない、嫌いにはなれない。そういう相手に対しても、同じ発想を持ち込めば、喧嘩の量は半分に減るかもしれない。そして別れることも避けられるかもしれない。
心の安定のためだけでなく、自分自身の幸せのためにも、そういうモノの見方、ヒトの見方は上手に利用してほしい。きっとあなたは人生経験豊富な人。だから許せること、許せる人の数も多く、正しい生き方ができる分だけ、幸せになれる確率も高いはずなのだから。

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Kaoru Saito

齋藤薫

美容ジャーナリスト
/エッセイスト

齋藤薫

美容ジャーナリスト/エッセイスト

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。最新刊は初めての男モノ『されど、男は愛おしい』(講談社)。また『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)他、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など多数。