●どんなに嫉妬しても、100%何も好転しない
まず聞きたい。今までの人生の中で、最も損をしたのはどんなこと? 家とかクルマとか時計とか、ともかく一生ものの買い物が期待はずれで後悔した……。自分が1番キレイだった時代を、ダメ男と付き合って無駄にした……。
いやひょっとすると、女に生まれて損をしたとか、こういう家に生まれて損をしたとか、もっと根本的な人生のハズレに悶々としている人がいるのかもしれない。
でもこれらすべては、取り返せる。家は売ればいいし、新しい出会いは何度だって求めればいいし、人生は、いくらでも変えられる。運命も変えられる。それらは決して損なことではないのだ。
人生で1番損なもの……それはおそらく嫉妬という感情。なぜならば、とても苦しい感情なのに、いくら嫉妬の炎を燃やしても、100%何も好転しない。それどころか自分自身を蝕んでいくだけ。ヘトヘトにくたびれて、身を削って、でも何も変わらないのだ。逆に、自分の大切な時間が、大量に嫉妬の感情に費やされる。それは恐ろしく無駄なこと。
●「シンデレラ」も「白雪姫」も、じつは嫉妬の物語
ちょっと思い出してほしいのは、誰もが知るおとぎ話、「シンデレラ」や「白雪姫」は、いずれも嫉妬が生んだ物語。一方、「トスカ」とか「アイーダ」とか「カルメン」とか、最も有名なオペラの題材も、みな嫉妬。嫉妬は1番醜い感情で、人を不幸にするよと言う絶対的な教えである。それは時代を問わず、国を問わず、全く揺るがない法則なのに、人は、どうして嫉妬の感情を持ってしまうのだろう。
多分それは、解決法が1つもないからなのだ。
その証拠に、嫉妬深い人は生きることがともかく大変。そういう人は、きっと自覚があるだろう。自分より恵まれている人にことごとく嫉妬し、だからくたくたにくたびれてしまう。でも苦しみは消えない。それどころか、まるで恋愛の裏返しのようにそのことで頭がいっぱいになったりもする。当然のように最大のストレス原因になるのに、ストレス解消など全く意味がなく、うっかりすると、一生その感情を持ち続けかねない。
にもかかわらず、嫉妬はとても身近な感情。人と比較しただけで、生まれてしまう感情。理屈など通らなくてもお構いなしに。だから厄介なのだ。
中には、嫉妬をあまり感じないと言う人もいるだろう。そういう人は今のその心の平和を決して忘れずに。人生進んでいく上で、人との関わりはどんどん変わっていくから、ひょっとすると、不意に嫉妬の感情を覚えたりすることがあるかもしれないのだ。
●解決法はたった1つ、この世で1番損なことだと思い出す
人と比較するのはやめましょう、そう100万回言っても、不平等があればどうしたって比較が始まる。特に、点数の付けられない“幸せ”や“才能”は、より大きな嫉妬を生みやすく、そして逃げ場もないのである。
従って、そこから逃れる方法はたった1つ……誰かを嫉妬するのは、人生で1番損なこと、それを知ることのみ! それを思い出すことのみ! だからやめようと思うことのみ! 嫉妬の感情が少しでも生まれたらこの話を思い出してほしい。この世の中に、こんなにも自分自身を不幸にする感情はないことを。
人類最大のストレスから自分を守れるのは、その方法しかいないのだと。
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