Kaoru Saito’s Column

FULLMOON

2023年2月 獅子座の満月🌕

自分を好きになる……
その方法を、
間違っていませんか?

●「ありのままの自分を受け入れましょう」って、それ自体が難しい

自分を好きになりましょう……「自己肯定感を高める」がトレンドワードになるずっとずっと前から、繰り返し提案されてきたこと。“自分を好きになれないこと”、“自分を認められないこと”は、時代を問わずに大きな問題だったのだ。
それでも一向に解決されないのは何故?
もちろん今は、科学的に根拠のある解決法がきちんと提案されている。自分を肯定するためには、自分の強みを3つ以上あげてみる……みたいに。

ただ、一般的な提案の多くは「ありのままの自分を受け入れましょう」的なものだったりする。確かにそう、でもそれができないから、みんな困っているのではないかと思ったりもする。
「それにはまず前向きになりましょう」という提言も少なくないけれど、そうできたら最初から悩んじゃいない。自分を好きになる方法って、もっと別のところにあるのではないかといつも思ってた。

だからこれは、私なりの方法。間違っているかもしれないけれど、聞いてほしい。単純に、自分を好きになるためには、嫌いな自分を追い出し、自分が好きになれる自分を探し出すこと、それに尽きると思う訳で、それぞれに具体的な方法を考えてみたのだ。


●上から“誰か”が見ていると思うこと

例えばだけど、“ついついパートナーのスマホを覗き見してしまう人”は、きっとそんな自分が大嫌いなはず。これが最後と思いながら、またやってしまい、“何か“を見つければ地獄だし、見つからなければホッとはするけど、どっちにしろ後悔する。そういう自分を追い出せれば、とも思うのだろう。

だから、相手のスマホに手が伸びそうな時に思い出して欲しいのが、「上から誰かに見られてる」と思うこと。すると伸ばした手が固まり、やめておこうと思えるはず。
で、“誰か”とは、いわゆるお天道様だったり、あるいはお月様だったり、また亡くなった身近な人だったり。すべての人の上に、必ず“誰か”がいるはずなのだ。

嘘をつきそうになったり、悪口を言いそうになったり、人の邪魔をしたりマウントしそうになったり、ともかく“悪心”が顔を出した時も、その都度すかさず、自分の上にいるその“誰か”に見られていることを思い出すのだ。それだけで、悪い自分、嫌いな自分が確実に減って行くはずだから。

逆に、何かを始めたり、何かに挑戦するような時、失敗しそうで怖い時、つまり度胸や胆力、覚悟が欲しい時、きっと上から“誰か”が見ていて、力をくれると信じること。日頃、悪いことを思いとどまる姿を、上の“誰か”にいつも見せていれば、こういう時に味方をしてくれる、そう考えてみたらどうだろう。

なんだか、小学校で学ぶ「道徳」のようでもあり、スピリチュアルな教えのようでもあるけれど、私はいつの間にかそう思うようになっていた。上の誰か……私の場合は、大好きな”月“であり、亡き父である。


●誰と一緒にいる時の自分が1番好き?

そして一方、好きな自分の見つけ方。これは、自分1人では難しい。例えば、今付き合っている人が、自分にとって“運命の人”なのかどうかを見極める時、あなたはどうしているのだろう。
これはズバリ、その人と一緒にいる自分を自分自身が好きかどうか? それで見極めたいのだ。A男といると、なんだか嫌な女になるのに、B男といる時は、心地よい自分でいられる。その自分が大好き、ならば、本音ではA男のほうにより惹かれていたとしても、運命の人は迷わずB男!そう考えること。

友達だろうが、同僚だろうが同じことが言える。自分を好きになるためには、自分が嫌な人間になってしまう交際を減らしていくこと。自分のことを好きでいられる人と、なるべく一緒にいることなのだ。
もちろん誰といても自分は変わらないと言う人もいるはずだが、それでも冷静になると見えてくる。一緒にいる人によって、嫌いな自分と好きな自分がいることが。

そうやって、嫌いな自分を減らし、好きな自分を増やす、するとどんどん自分が浄化されていくことに気づくはず。結果的にそれが幸せへの近道だということも。
そして、“ありのままの自分を受け入れる”より、そのほうが簡単だし、ずっと効果的だし、ずっと前向きだということに気づくはずである。

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Kaoru Saito

齋藤薫

美容ジャーナリスト
/エッセイスト

齋藤薫

美容ジャーナリスト/エッセイスト

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。最新刊は初めての男モノ『されど、男は愛おしい』(講談社)。また『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)他、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など多数。