メッセージに込めた想い
「同じを見つけて、違いは尊重しよう」という「ダイバーシティ」についてのメッセージをデザインしました。ジェンダー平等が叫ばれる中、多様性を受け入れることは重要なこと。
人が一人一人違うのは当然のことであるはずなのに、相手をなかなか受け入れることができないという時というのは私たちが相手と自分との「違い」を見ている時なのではないでしょうか。
「違い」を見ているとき、私たちは居心地が悪く、リラックスできない気がします。そんな時、同じ人間として相手と自分の「同じ」部分を見るようにしてみる。そうするとそれまで分離を感じていた相手との間に繋がりを感じられると思うんです。
どんな相手でも探せば一つくらい何かしらは共通点が見つかるはず。それは内面でも外面でもなんでもいい。最終的には「相手も自分も幸せでありたいと思っている」ことに気が付けると、相手の違う部分を尊重できるようになるのかと。誰に対してもラベリングすることなく互いにリスペクトすることができる社会。
理想論のようで難しいかもしれませんが、人は一人では生きていけない生き物であり、どんな人でも心地よく生きることのできる社会を目指す上で、多様性の問題は日常から私たちに深く関わっていることだと思っています。バッグのメッセージは、私自身もつい自分の偏ったものさしでネガティブなジャッジをしてしまうことがあるので、自戒の念も込めているんです。
これはとても個人的なことですが、以前から女性のセクシャリティに対して関心があり、なぜ女性は男性よりも性的な話をオープンにできないのだろうとずっと違和感を感じてきました。これはフェミニズムにも繋がることかもしれませんが、まだ多くの女性がこの社会においてタブーだとされる観念に無意識に縛られ、自分の性的な部分をポジティブに捉えられず、人知れず悩みを抱えているような気がします。
そういった点でも、女性が自らの思い込みを手放していけて、解放された社会になればいいなと感じています。もちろん同じ女性の中には性的なことをオープンにすることが心地よくない人もいるでしょう。人それぞれ想いや考え、視点が違いますし、それは自由でいい。それらを尊重し合えるのも多様性を認め合うことであるかと思います。
社会や自らが作り上げてきた「こうあるべき」という観念を私たちが捨てていくことで、すべての人が生きやすくなる。そんな社会を目指すために何より大切なことは、自分を愛すること。それが全てかと思います。自分の良いところだけでなく、目を背けたくなるようなネガティブな弱い自分を許し受け入れること。それができて初めて人は周りの人にも同じことができると信じています。