春分点から30度づつの角度で12分割した区分を「サイン（12星座）」。Asc（アセンダント）から12に分割した区分を「ハウス」と呼びます。

〈春分点〉とは地球の赤道をそのまま天球上に投影した“天の赤道”と、太陽の通り道である“黄道”との交差点のことを言います。つまり地球上のどこでも通用する区分で決められた性格づけと言うこと。地球と太陽の関係の中で成立した尺度です。

一方Ascは、個人が生まれた瞬間に決定されるため、ここから始まる12ハウスとは特定の場所と時間で発生し、それぞれ個人の中にある小さなサインだと言えるのです。

サインが集団的な意識の中で共通した性格や事柄を表すのであれば、ハウスは他の人には通用しない個人の具体的な状況を表します。

でも、サインの起点である春分点も、ハウスの起点であるAscもどちらも特定の位置から始まった円を12分割すると言うことは全く同じなので、元の構造として同じだという上で、「サイン＝衣装、ハウス＝舞台や現場」というように使い分けて考えれば分かりやすいと思います。もしもそこに惑星があるなら＝演じる役者と言うことになります。

別の例えなら、多くの人がコミュニケーションを取るためには、共通の法則が無いと成り立たないですよね。ここで必要なのがサインと考え、もっと個人的な感覚に根付いた活動をハウスと捉えることもできると思います。

ハウスの解説に入る前に、ホロスコープを読む時の起点となり、占星術家たちが必ず注目する４つのポイント、Asc（アセンダント）、Dsc（ディセンダント）、Mc（エムシー）、Ic（アイシー）についてお話しします。

◉Asc（アセンダント）：春分点

個人のスタート。肉体と魂の接点。

魂が地上に降り立ち、肉体と一致した瞬間どのサインに位置していたかで、その人の素材、本質となる部分が見えてきます。この世に存在した瞬間の魂の状態を表すということは、その時の母親の思いや置かれた環境、メンタル状況などが大きく影響するということになるのです。サインに合わせてAscの近くにどんな惑星があるかで、その人がどんな状況下で生まれてきたのかが見えてくるということになります。

例えば、やっとの思いで授かった夫婦の元に生まれてきたなら、どんな環境でも歓迎されているという意識で過ごす子になる、という感じ。惑星でいうと「月」と近い捉え方ができると思います。

◉Ic（アイシー）：夏至点

その個人がどういった家庭環境で過ごし、またどういう家族を作り出すのかが見えてくるポイントです。家族というものに対するその人の印象や求めること、または守りたいことなどを読むことができます。

◉Dsc（ディセンダント）：秋分点

人生の中でどういう人とよく出会うのか、またはどういう人を選びがちなのか。もしくはどういった人に選ばれがちなのかを見ることができるポイントです。

◉Mc（エムシー）：冬至点

人生の到達点。Ascに突き動かされて生きてきた結果こうなった…というのが見えるポイントです。つまり、訪れるだろう未来を表しているので、ホロスコープを見る時はMcがどの位置にあるかで将来やると良いことなどが見えてくるという訳です。

自分自身・個性・体質・生命力

第１ハウスは地球上に生命が誕生し、ここから人生が始まる最初のハウスです。

つまりあなたの素材であり、物事や人、環境に対しての捉え方の軸となる部分。また、魂や自分という根本的なものの存在を意味しています。

ここでは自分の体質や健康状態、置かれた環境を読み解くことができます。また、あなたが人と接する時にはどんな姿なのか、どんな性格なのか。反対に環境からはどんな人として見られているのか？などを探ることができます。