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このページでは、雑誌やメディアなどで、独特な表現とズバッと胸に響く言葉で、西洋占星術を発信されているジョニー楓さんより星読みについて教えてもらいます!
皆さんと一緒に学びながら解説するのは、ライターのモーリー。
悩めるときも健やかなるときも…“占い”を頼りに過ごしてきた私が思うに、その魅力は占うこと(知ること)で見えてくる未来と同じくらい、今の自分自身に向き合う時間を作るキッカケをくれることだと思っています。
星を読み、自分の明日(未来)を見つめることは、今までよりも少し肩の力を抜きながら、どこか逞しく、軽やかに日々を過ごすことへ繋がっていきます。
解説BOOKを通して、占星術をおこなう上で大切な基本素材や仕組みなどを、一つ一つ丁寧に学んでいきましょう。
ー STEP4⑨【10の惑星:海王星】の解説
⚫︎地球(EARTH)から近い順にみてみよう
月:MOON(28日)
水星:MERCURY(90日)
金星:VENUS(225日)
太陽:SUN(365日)
火星:MARS(2年)
木星:JUPITER(12年)
土星:SATURN(29年)
天王星:URANUS(84年)
海王星:NEPTUNE(165年)
冥王星:PLUTO(249年)
10個の惑星たちは各々のスピードで螺旋状に上へ向かって動いており、上記の( )内の通り公転周期があります。
◆ 海王星 NEPTUNE
『 私は一体化する 』
公転周期:165年
年齢期:85〜95歳
ルーラー:魚座
キーワード:
幻想、芸術、直感力、感覚、超越、神秘、癒し、曖昧なもの、液体、融合
混乱、迷い、非現実的、現実逃避、根拠のない、詐欺、恐怖症、薬物中毒
―大海原に溶け出すことで広がる世界
魚座のルーラーである海王星は、現実や個人よりもっと大きな全体と“一体化”することを通して、自分自身の限界を超越する能力を象徴します。あるいは自分自身を知らない間に蝕んでしまう影響を象徴することもあります。
…もう少し砕いて言うと、前回解説した「天王星」はその前の土星の示す制限を突破することで新たな能力や新たな世界を切り開くというものでした。
今回の「海王星」はそれに比べるともっと“意識的でない部分”で、知らない間に染まって行くようなもの、例えば、時代の潮流や流行りを吸い込んで、だんだん気分がそれっぽくなるような変化を表しています。
時代を覆い、あるいは彩り、世情に大きな影響を与えた1980年代後半のバブル経済なんかもとても海王星的な影響と言えます。
その中に溶け込むことで、良くも悪くも制限のない感覚へ繋がるような感じです。
ただ、公転周期は165年とありますから、この周期を生きて全て経験した人はいません。このように海王星が何を人生にもたらしたのかを事実として分かる人はいない為、読み方は自由であり、且つ受動的な印象でしかないということも覚えておきたいポイントです。
海王星が私たちの生活の中でどう作用しているかというと、例えば、仕事はもらえる給料分しか働かないという“具体的”な感覚の中でいたとしても、その仕事の背景を知ったり、関わる人たちの思いを感じたりしながら過ごすと、より良いものを作ろう、もっと期待に応えていきたい、という思いになっていくとか。
この匂いを嗅ぐとあの人を思い出すなぁ、あの音楽を聞くと学生の頃の感覚が蘇るなぁ…とか。または映画や小説の主人公に共感し、ボロボロもらい泣きしちゃう…なども海王星の力が影響していると言えます。
悪い例としては、騙し騙される、あるいはそこに対する不信感や恐れ、経験の中で染み付いてしまったイメージや感情など、なかなか晴れない概念も海王星の影響と言えるのです。
つまり目に見えないものを感じる能力。目の前にあるものではなく、その背景や醸し出す空気感を感じとる“感覚的なもの”と言えば分かりやすいでしょうか。言語化できないけれど自分の中にある繊細な感覚。これが海王星の働きなのです。
しかし、先にお伝えしたように一生よりも長い公転周期のため、海王星の表す内容は私たち個人の意識では把握しきれないほど深く、霧のように薄く、それでいて制限なく広がって行きます。把握しきれないということは、個人でコントロールすることは出来ない一面もあると言うことです。
つまり、もしこれが悪く作用してしまうと、現実と妄想との狭間で混乱したり、不安でたまらなくなり現実逃避のための行動へ走ってしまう、という恐れもあります。お酒やドラックなども海王星的な影響を人工的に作る、もしくは取り込む一面があるものと言えると思います。
海王星の曖昧で感覚的な要素だけではなく、やはり土星の持つ制限するエネルギーと上手くバランスをとりながら試行錯誤することは、私たちが生きる上でとても大切だということが改めて分かるのではないでしょうか。
―“限界を超える惑星”3つを比べてみる
海王星と同じように「限界を超える惑星たち」それぞれの作用を比べてみると分かりやすいと思います。
例えば、退屈な生活をしているときにショッピングをすると気分がリフレッシュするのは、感覚的な領域での「金星」が、新しい楽しみを持ち込むことを表しています。
また、ずっと退屈な仕事を続けているときに、新しい仕事のチャンスが舞い込んできて急に元気が出る、なんかは「木星」の作用。
そして「海王星」は、もっと気持ちの面で新しい力を持ち込んできて私たちの精神活力を思いっきりリフレッシュします。例えばそれは、心理的な癒しであったり、新しい希望や未知への興奮などを作り出す作用のことだったりします。
夢やロマンに魅せられ夢中になるのも海王星の作用だと言えると思いますよ。
この3つは、それぞれ限界を超えることを意味する天体なので、常に新しい力を吸い込んでいくのです。
ただ、当然吸い込み過ぎれば、「金星」は贅沢や浪費、「木星」は無計画な増長や肥満、「海王星」過激な現実逃避や、あるいは必要以上の欺瞞と言った目に見えない力が誤って働くこともあるので注意が必要です。
ここまでの解説でなんとなく伝わっていると思いますが、海王星が示すものはかなり曖昧であるが故、昨今では「オーラ」や「霊感」などと解説されたりもしています。これも大きく外れてはいないですが…もっと日常でも感じる大きな範囲の“感覚”ではないかなと思います。
相手の空気や思いを察する力や、環境の求めるものを感じとる力、といえば身近に感じられるのではないでしょうか。感受性の豊かさとも表現できるので、アートや音楽などを表現するには必要な部分であると思います。
この海王星が発達していると先を読む力にも影響するので、「これはトレンドになりそう」とか「この人はもっと良くなりそう」…というように、物事のバックグラウンドから導かれた“ひらめき”のようなものを感じとる能力も冴えるかもしれません。
また、視覚的な容姿を見るだけでなく、“なんか優しそう”とか“厳しそう”などの、目に見えないものを無意識のうちに読み取っていたなんていう経験も多いかなと思います。
それだけで判断するわけにはいかないですが、その感覚を活かすことでもっと違う視点や頭を使うことに繋がりますし、可能性が広がりそうですよね。
物質的だけではない世界への流れが進んでいる“風の時代”ですから、いい経験はもちろん辛い経験であっても、その時にちゃんと自分の思考を使って過ごすことが大切で、その経験を多く重ねた人の方がよりリアリティのある感受性を育んでいけると思います。
才能や年齢は関係ありませんよ。
この海王星的感覚を上手く取り入れながら過ごし、自分自身の世界を大きく、深く広げていけるといいですね。
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次回は、なんと惑星の解説ラスト!〈冥王星〉が登場します。
どうぞお楽しみにしていてくださいね。
⚫︎Produce
⚫︎Write&Edit